GX用語解説:営農型太陽光
営農型太陽光(ソーラーシェアリング)とは
営農型太陽光(ソーラーシェアリング)とは、農地の上に支柱を立てて太陽光パネルを設置し、パネルの下・間の農地では引き続き農業を営むことで、農業生産と太陽光発電を同じ土地で両立させる方式です。太陽光発電の新規適地が限られる中、農地を「発電か農業か」の二者択一ではなく両立させる選択肢として、農林水産省・経済産業省が制度整備を進めてきました。
結論から言えば、営農型太陽光は「農業をやめずに、農地の上の空間を再エネ発電にも使う」という一石二鳥の発想です。パネルは農地から一定の高さに設置され、間隔を空けて配置することで農作業に必要な日照・農業機械の通行を確保しながら、上部空間で発電を行う設計になっています。
この記事の要点
- 営農型太陽光=農地の上部空間に太陽光パネルを設置し、農業と発電を両立させる方式。
- 農地転用許可を得ずに一時転用の形で設置でき、農業継続が制度上の前提条件になっている。
- 農作物への遮光率を一定範囲(地域・作物により目安あり)に抑える設計が求められる。
- 農業収入に加えて売電収入(FIT等)を得られ、農業経営の多角化策としても注目される。
- 荒廃農地の活用や、後継者不足の農地での新たな収益源創出策としても期待されている。
実務での使われ方
営農型太陽光の設置には、農地法に基づく「一時転用許可」を取得する必要があり、許可期間は原則3年(担い手が行う場合や荒廃農地の場合等は10年)ごとの更新制です。許可を維持するためには、パネル下の農地で適切に営農が継続されていること(単収が地域平均の8割程度以上を維持すること等)が条件となるため、農業と発電事業の両立を前提とした計画的な運用が求められます。
製造業・小売業など農業と直接関わりのない中堅企業であっても、遊休農地を活用した営農型太陽光事業への出資・PPA契約を通じて、再エネ電力の調達源を確保する動きが出てきています。
詳細説明
制度上の位置づけ
営農型太陽光は、農地に恒久的な太陽光発電所を建設する場合とは異なり、農地を農地のまま保持しながら太陽光パネルを設置する「一時転用」という扱いを受けます。これにより、優良農地の減少を防ぎつつ、再エネ発電を推進するという2つの政策目標を同時に達成できる制度設計になっています。ただし、営農が継続されていないと判断された場合、許可が取り消される可能性がある点に注意が必要です。
荒廃農地対策としての活用
担い手不足により耕作が放棄された荒廃農地を、営農型太陽光として再生・活用する事例も増えています。荒廃農地の場合、通常より長い許可期間(10年)が認められることもあり、地域の農地保全と再エネ導入を同時に進める手段として、地方自治体からも注目されています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が農業関連事業を営んでいる場合、遊休農地・荒廃農地での営農型太陽光導入の可能性を検討します。第二に、農業関連事業でない場合も、営農型太陽光事業へのPPA契約や出資を通じた再エネ調達の選択肢を検討します。第三に、農地法の一時転用許可の要件(遮光率、単収維持等)を事前に確認します。
原則3年(担い手・荒廃農地の場合は最長10年)ごとの更新制
出典:農林水産省「営農型太陽光発電の取組みについて」
FAQ
Q1. 営農型太陽光とは何ですか?
農地の上部空間に太陽光パネルを設置し、パネルの下では引き続き農業を営むことで、発電と農業を両立させる方式です。
Q2. 農地転用が必要ですか?
恒久的な農地転用ではなく、農地法に基づく「一時転用許可」を取得する形で設置します。営農の継続が許可維持の条件です。
Q3. どんなメリットがありますか?
農業収入に加えて売電収入を得られるほか、荒廃農地の再生活用や後継者不足の農地の新たな収益源としても期待されています。
Q4. 農業と関係ない企業にも関係しますか?
営農型太陽光事業へのPPA契約や出資を通じて、再エネ電力の調達源として活用する動きが出てきています。
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