パリ協定とは、2015年のCOP21で採択された、全締約国を対象とする温室効果ガス削減の国際枠組です。産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える努力目標を掲げます。
全締約国がNDC(削減目標)を5年ごとに提出。1.5度目標がSBT・GXリーグ・各国制度の科学的根拠に。中堅企業も取引先要請経由で目標設定が前提化。
Key Takeaways
- パリ協定は、2015年COP21で採択された全締約国対象のGHG削減枠組です。産業革命前比で気温上昇を1.5度に抑える努力目標を掲げます。
- 各国はNDC(★Nationally Determined Contributions・国が決定する貢献=削減目標)を5年ごとに提出・更新し、進捗をグローバルストックテイク(★世界全体の進捗を5年ごとに評価する仕組み)で点検します。
- 企業への波及はSBT・GXリーグ・各国制度経由。1.5度目標がSBT(★科学的根拠に基づくGHG削減目標)認定やGXリーグ(★削減目標設定・開示・取引を行う企業共同体・約700社参画)のScope削減目標の科学的根拠になります。
- 中堅企業の実務接点は、取引先の削減要請とSBT認定。パリ協定整合の目標設定が取引条件化しつつあります。
実務での使われ方
中堅企業がパリ協定を直接適用する場面は多くありません。ただし取引先大手OEMやGXリーグ参加企業の削減目標は、すべてパリ協定の1.5度目標を起点にしています。
SBT認定の取得や入札・金融機関の評価でも、「パリ協定整合の目標か」が問われます。目標設定の妥当性を判断する共通の物差しになっています。
詳細説明
パリ協定の制度概要
パリ協定は、2015年12月のCOP21(★国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)で採択され、2016年に発効した国際枠組です。京都議定書に代わり、先進国・途上国を問わず全締約国が参加します。
中心目標は、世界の平均気温上昇を産業革命前比で2度を十分下回る水準に抑え、1.5度に抑える努力を追求することです。
各国はNDC(国が決定する貢献)として削減目標を5年ごとに提出・更新し、世界全体の進捗をグローバルストックテイクで点検します。
企業の脱炭素目標の多くは、この1.5度目標を科学的根拠としています(出典:環境省・外務省 パリ協定関連資料)。
(★産業革命前比の気温上昇抑制)
1.5℃
中堅・中小企業への影響
パリ協定の義務は国家に課されますが、影響は企業に下りてきます。1.5度目標はSBT認定の前提であり、GXリーグや各国制度の設計思想でもあります。
中堅企業の接点は主に2つです。取引先からのパリ協定整合の削減要請と、自社のSBT認定取得です。
例えば大手OEMのサプライヤーは、親会社の1.5度目標に整合する削減計画の提示を求められます。
目標が「パリ協定整合(1.5度水準)」かどうかが、取引継続や入札評価の判断材料になりつつあります。
FAQ
パリ協定と京都議定書の違いは?
京都議定書は先進国のみに削減義務を課す枠組でした。パリ協定は途上国を含む全締約国が自主目標(NDC)を掲げ、5年ごとに更新する点が大きな違いです。
パリ協定は中堅企業に直接関係しますか?
直接の義務は国に課されます。ただし1.5度目標はSBT認定やGXリーグ、各国制度の科学的根拠となり、取引先の削減要請を通じて中堅企業にも波及します。
1.5度目標と2度目標の関係は?
パリ協定は2度を十分下回る水準に抑え、1.5度に抑える努力を追求すると定めています。近年は1.5度が実質的な国際基準として扱われています。
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