GX用語解説:着床式洋上風力
着床式洋上風力とは
着床式洋上風力とは、風車の土台となる基礎構造物を海底に直接固定する形式の洋上風力発電です。水深50〜60メートル程度までの浅い海域に適しており、日本の洋上風力導入が先行しているエリア(秋田県沖、千葉県沖等)の多くが、この着床式で開発されています。海面に浮体を浮かべて係留する「浮体式」と対をなす、洋上風力の2大方式の一方です。
結論から言えば、着床式洋上風力は「陸上の風力発電を、より風況の良い遠浅の海域に移した」形態です。陸上風力と比べて設置場所の制約が少なく、大型の風車を導入しやすいため発電効率も高い一方、遠浅の海域が限られる日本では、開発可能なエリアが地理的に制約されるという課題があります。
この記事の要点
実務での使われ方
着床式洋上風力プロジェクトは、再エネ海域利用法に基づき国が指定する「promotion区域(促進区域)」において、公募により事業者が選定される仕組みで開発が進められます。企業が着床式洋上風力由来の再エネ電力を調達する場合、事業者との長期のコーポレートPPA契約を通じて、大規模かつ長期安定的な再エネ電力を確保できる利点があります。
日本は2040年までに洋上風力の導入量を30〜45GW程度まで拡大する目標を掲げており、この目標達成の主力は当面、着床式が担うとされています。電力多消費産業にとって、こうした大規模電源の開発動向は、将来の再エネ調達戦略を検討するうえでの重要な情報です。
詳細説明
浮体式との使い分け
着床式は水深の浅い海域(50〜60m程度まで)に適する一方、日本近海はこの水深条件を満たす遠浅の海域が限られています。そこで、より水深の深い海域でも設置できる「浮体式」の実用化が進められており、着床式で開発可能な適地が一巡した後は、浮体式が日本の洋上風力拡大の中心を担うと見込まれています。両者は競合するというより、水深条件に応じて使い分けられる補完的な関係にあります。
再エネ海域利用法に基づく開発プロセス
着床式洋上風力の開発は、政府が定める「再エネ海域利用法」に基づき、有望な海域を「有望区域」「準備区域」「促進区域」と段階的に指定し、促進区域において公募占用指針に基づく事業者選定(価格・実施能力等の総合評価)が行われる仕組みで進められます。この公募制度により、電力の売電価格の低下と地域との共生が同時に図られる設計になっています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、着床式洋上風力プロジェクトからのコーポレートPPA契約が、自社の再エネ調達戦略の選択肢になり得るかを検討します。第二に、事業者選定・稼働開始のスケジュールを確認し、中長期の電力調達計画に組み込みます。第三に、電力多消費事業を営む企業は、大規模洋上風力の開発動向を電気料金の先行指標として注視します。
水深:概ね50〜60m程度まで / 日本の導入目標:2040年までに30〜45GW
出典:資源エネルギー庁「洋上風力産業ビジョン」
FAQ
Q1. 着床式洋上風力とは何ですか?
風車の基礎構造物を海底に直接固定する形式の洋上風力発電で、水深50〜60m程度までの浅い海域に適しています。
Q2. 浮体式との違いは?
着床式は海底に固定しますが、浮体式は海面に浮かべて係留するため、より水深の深い海域でも設置できます。
Q3. どこで開発が進んでいますか?
秋田県沖・千葉県沖など、遠浅の海域を持つエリアで日本の着床式洋上風力の導入が先行しています。
Q4. 企業に関係しますか?
コーポレートPPA契約を通じて、大規模かつ長期安定的な再エネ電力を調達する選択肢として活用され始めています。
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