GX用語解説:グリーンスチール
グリーンスチールとは
グリーンスチールとは、製造工程で発生するCO2排出量を大幅に削減した、脱炭素プロセスで製造される鋼材の総称です。水素還元製鉄のような新しい製法で作られた鋼材のほか、鉄スクラップを電炉で再溶解して作る鋼材(従来の高炉法よりCO2排出が少ない)なども、広い意味でグリーンスチールに含まれることがあります。
結論から言えば、グリーンスチールは自動車・建設・造船など鋼材を使うあらゆる産業にとっての「新しい調達選択肢」です。製品に使われる鋼材が低炭素であることは、最終製品のサプライチェーン排出量(Scope3)を左右する重要な要素になりつつあります。
この記事の要点
実務での使われ方
自動車メーカーをはじめ、鋼材を大量に使用する企業がグリーンスチールの調達方針を発表する動きが広がっています。自社のサプライチェーン排出量削減目標を達成するうえで、鋼材という基礎素材の脱炭素化は避けて通れないテーマであり、部品メーカーなど鋼材を扱う中堅企業にとっても、取引先からの調達要請が今後強まる可能性があります。
グリーンスチールの調達には、通常の鋼材とのグリーンプレミアム(価格差)を誰がどう負担するかという課題が伴います。長期契約による価格の安定化や、業界横断での需要創出が、コスト低減に向けた鍵になるとされています。
詳細説明
グリーンスチールの製法
グリーンスチールの代表的な製法には、水素還元製鉄のほか、鉄スクラップを電気炉で溶解して再生する「電炉法」があります。電炉法は既存の高炉法に比べCO2排出が少なく、実用化も進んでいますが、原料となる高品質な鉄スクラップの確保が課題です。水素還元製鉄はより根本的な脱炭素化を実現できる一方、実用化にはまだ時間がかかります。
認証・表示の動き
グリーンスチールという呼称には統一された国際基準がまだ確立されておらず、製造時のCO2排出量をどう算定・表示するかについて、業界団体や国際機関での議論が進められています。将来的には、カーボンフットプリント表示のような形で、鋼材のCO2排出量が明示される仕組みが広がると見込まれます。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が使用する鋼材の調達先が、グリーンスチールの供給計画を持っているかを確認します。第二に、取引先からグリーンスチール調達への対応を求められる可能性を検討します。第三に、Scope3削減計画の中に、鋼材調達の脱炭素化を位置づけます。
水素還元製鉄(新プロセス) / 電炉法(スクラップ再生)
出典:日本鉄鋼連盟
FAQ
Q1. グリーンスチールとは何ですか?
製造工程で発生するCO2排出量を大幅に削減した、脱炭素プロセスで製造される鋼材の総称です。
Q2. どんな製法がありますか?
水素還元製鉄のような新しい製法のほか、鉄スクラップを電炉で再溶解する電炉法も、従来の高炉法より低炭素な鋼材として位置づけられます。
Q3. なぜ企業から注目されているのですか?
最終製品のScope3排出量を左右する重要な要素であり、自動車メーカー等が調達方針を発表する動きが広がっているためです。
Q4. 中堅企業は何を確認すればよいですか?
鋼材の調達先の供給計画を確認し、取引先からの調達要請の可能性を踏まえ、Scope3削減計画に鋼材調達の脱炭素化を組み込みます。
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