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GX用語集

ESRS E1とは|EU企業に迫る気候変動開示の最重要基準

2026.09.23

gx-staff

ESRS E1とは|CSRDに基づく開示項目 サムネイル

GX用語解説:ESRS E1

ESRS E1とは

ESRS E1とは、EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づき、企業に気候変動関連の開示を求める欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の一分野です。ESRSは環境(E1〜E5)・社会(S1〜S4)・ガバナンス(G1)の全12基準で構成されますが、その中でもE1は最も詳細かつ重要度が高い基準として位置づけられ、GHG排出量、削減目標、移行計画、炭素価格の内部利用状況まで、気候関連情報を網羅的に開示することを求めます。

結論から言えば、ESRS E1は「CSRD対応企業が最初に、そして最も力を入れて取り組むべき開示基準」です。ESRS全12基準の中で唯一、企業の重要性評価(マテリアリティ評価)の結果にかかわらず、GHG排出量に関する一部の開示項目は原則すべての対象企業に開示が求められるという特別な扱いを受けています。

この記事の要点

  • ESRS E1=ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)全12基準のうち、気候変動を対象とする基準。
  • GHG排出量(Scope1・2・3)、削減目標、移行計画、内部炭素価格まで幅広い開示を要求。
  • ESRSの中で唯一、マテリアリティ評価の結果によらず一部開示項目が原則必須とされる特別な基準。
  • TCFDの枠組みを土台にしつつ、より定量的で詳細な開示要求へと発展させている。
  • EU域内で事業を行う日本企業(子会社等)にも、規模基準を満たせば適用される。

実務での使われ方

CSRD対象企業(EU域内の大企業、および一定規模のEU子会社を持つ非EU企業)は、ESRS E1に基づき、GHG排出量の算定範囲・方法論、気候関連の重要なリスクと機会、GHG削減目標とその進捗、そして脱炭素に向けた「移行計画」の有無と内容までを開示します。日本企業がEU域内に一定規模の子会社を持つ場合、その子会社を通じてESRS E1相当の開示が求められる可能性があり、親会社である日本企業も算定・開示体制の整備を迫られます。

ESRS E1が求める開示項目は、日本のSSBJ基準が求める気候基準の開示項目とも多くが重なるため、両制度を見比べながら開示体制を構築する企業も増えています。

詳細説明

ダブルマテリアリティとの関係

ESRSはCSRDの理念に基づき、投資家にとっての財務的重要性(アウトサイド・イン)と、企業活動が環境・社会に与える影響の重要性(インサイド・アウト)の両方を評価する「ダブルマテリアリティ」の考え方を採用しています。ESRS E1についても、原則としてこのダブルマテリアリティ評価に基づいて開示範囲を決定しますが、GHG排出量そのものの開示など一部項目は、評価結果にかかわらず開示が求められる点が他の基準と異なります。

要求される主な開示項目

ESRS E1は、気候変動緩和・適応の両面をカバーし、(1)GHG削減目標(Scope1・2・3別)、(2)移行計画とその財務的実現可能性、(3)内部炭素価格の設定状況、(4)エネルギー消費量の内訳(再エネ比率含む)、(5)気候関連の物理リスク・移行リスクによる財務影響、といった項目を定量データとともに開示することを求めます。

中堅企業の最初の3歩

第一に、自社がEU域内に一定規模の子会社・拠点を持つかを確認します。第二に、持つ場合、CSRDの適用時期とESRS E1の開示要求項目を把握します。第三に、Scope1・2・3排出量の算定体制が、ESRS E1が求める粒度に対応できているかを点検します。

ESRS E1の主な開示項目
GHG削減目標 / 移行計画 / 内部炭素価格 / エネルギー構成 / 物理・移行リスクの財務影響
出典:欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)

FAQ

Q1. ESRS E1とは何ですか?

ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)の全12基準のうち、気候変動を対象とする基準で、GHG排出量や移行計画等の開示を求めます。

Q2. なぜ他のESRS基準より重要なのですか?

ESRSの中で唯一、マテリアリティ評価の結果にかかわらず一部の開示項目(GHG排出量等)が原則必須とされているためです。

Q3. TCFDとの違いは?

TCFDの枠組みを土台にしつつ、内部炭素価格や移行計画の財務的実現可能性など、より定量的で詳細な開示を求める点が異なります。

Q4. 日本企業に関係しますか?

EU域内に一定規模の子会社を持つ日本企業は、CSRD・ESRS E1の適用対象となる可能性があり、開示体制の整備が必要になります。

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編集責任:GX Times Lab 運営 / 監修:一般社団法人 関西GX推進協議会

最終更新:2026-09-23 07:00

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