2026年6月5日(世界環境デー)/GX Times Lab 創刊編集長 遠藤 翼
本日2026年6月5日・世界環境デーに、中堅・中小企業の経営者のためのGX専門メディア「GX Times Lab」を創刊します。私たちはGX(グリーントランスフォーメーション)を、「環境への責任」としてではなく、「コスト・競争力・資金調達という経営の問題」として語ります。創刊編集長として、なぜこのメディアをつくったのか、何を約束し、何をしないのかを、最初にお伝えします。
「何から手をつければいいのか分からない」──その声から始まった
「GXをやれと取引先に言われた。でも、何から手をつければいいのか分からない」──中堅・中小企業の経営の現場で、私がいま最も多く聞くのが、この声です。
脱炭素は、もう環境意識の高い一部の企業だけの話ではありません。2026年、排出量取引制度(GX-ETS=企業のCO₂排出に価格をつけ売買する国の制度)が本格的に動き出し、大企業が取引先にまで排出量の削減(Scope3=自社だけでなくサプライチェーン全体の排出量)を求める時代に入りました。製造業の二次・三次サプライヤー(Tier2)も、運送会社も、建設会社も、「対応しなければ取引の土俵から外されかねない」現実に直面しています。
それなのに──経営者が「で、うちのP/L(損益)にどう効くのか」を判断できる情報は、どこにもありませんでした。
情報は、大企業向けばかりだった
GXをめぐる情報は、世の中にあふれています。けれど、その多くは上場企業・大企業を前提にしたものです。高額なコンサルティングの提案もあります。しかし、年商数十億円の会社が、自分の身の丈で読んで、明日の経営判断に使える実務情報は、ほとんど存在しませんでした。
これは私の感覚ではありません。日本商工会議所・東京商工会議所の調査(2025年7月)では、中小企業が脱炭素に取り組むうえでのハードルとして最も多く挙げられたのが「費用・コスト面の負担が大きい」で、64.5%の企業がそう答えています。多くの会社が動けないのは、環境への意識が低いからではなく、「コストに見合うのか」という経営判断ができないからです。
2024年改正産業競争力強化法で新たに定義された「中堅企業」(従業員2,000人以下・中小企業を除く)は、東京商工リサーチの調べで2024年時点9,229社。この層こそ、GXを取引条件として突きつけられながら、判断材料を持てずにいます。その空白を埋めるために、私はGX Times Labをつくりました。
GXは「環境のため」ではなく「経営のため」に語る──Economics Over Ecology
GX Times Labが掲げる編集思想は、ただ一つ。「Economics Over Ecology(環境論より経済合理性を)」です。
誤解しないでください。私たちは脱炭素という目標を否定しません。むしろ、本気で実現したい。だからこそ、語り方を変えます。GXを、環境保護の道徳や理念としてではなく、コスト削減・売上向上・リスク回避・資金調達という、経営者が日々向き合っている言葉へ翻訳する。それが私たちの仕事です。
だから、私たちはこう決めています。
- 道徳を説教しません。「地球のために」だけでは、一社の経営も、一人の現場も動かないことを知っているからです。
- 特定の商材や事業者へ誘導しません。GX Times Labは株式会社Unlimited Work Placeの編集部が独立して編集し、専門的な正確性の確認だけを一般社団法人 関西GX推進協議会(専門監修)に委ねています。
- 経営判断(P/L)に効かない記事は、書きません。
GX Times Labが、あなたに約束すること
私たちが届けるのは、「正しさ」ではなく「使えること」です。
補助金の使い方。設備投資が何年で回収できるかのROI試算。取引先からの脱炭素要請に、どう答えれば取引を守れるか。Scope3の算定を、何から始めればいいか。──経営判断者が「いま動くために必要な数字とロジック」だけを扱います。
創刊初日のきょうから、GX用語のやさしい解説、業界別の実務解説、法制度・補助金のガイド、体系的な基礎講座まで、100本を超える記事をそろえて公開します。「気になったその日に、調べて、経営判断に使える」──その状態を、初日からつくります。
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私は、マーケティングを起点に経営を設計してきた連続起業家です。複数の事業を並行して動かすなかで、ずっと一つの原則を貫いてきました──「P/Lに直結しない施策には、意味がない」。
2025年、私は大阪・関西万博「フューチャーライフヴィレッジ」で、4社共創によるGXアート「自然の祈り – The Prayer of Green」の展示を発起し、全体を主宰しました。同年、その出展を共にした仲間と一般社団法人 関西GX推進協議会を設立。そして2026年、このGX Times Labを創刊します。万博・社団法人・全国メディアという三層を、一年で築いてきました。
派手に見えるかもしれません。けれど、私の関心はずっと一点にあります。「中小企業こそ、GXの主役になれる」。大企業の特権でも、コンサルの商売道具でもなく、現場の経営者が、自分の武器としてGXを使いこなす。そのための地図を渡したい。それが、私がこのメディアを自分の名前で始める理由です。
なぜ、世界環境デーに創刊するのか
きょう6月5日は、世界環境デーです。2026年のテーマは「Inspired by Nature. For Climate. For Our Future(自然に学び、気候のために、私たちの未来のために)」。焦点は、気候変動そのものです。
私たちも、その「For Climate(気候のために)」という目標を、世界と共有します。違うのは、手段です。気候のために、私たちは経営合理性を選ぶ。理想を語るその日に、あえて「経済としてのGX」を掲げる──それが、この日に創刊する意味です。気候のために、いま、経営の言葉で動き出す。#NowForClimate。
これから
GX Times Labは、創刊後も毎週、新しい記事を積み上げていきます。用語集、業界別の実務、法制度・補助金、そして実際にGXを経営の打ち手に変えた企業の事例まで。GXを「コスト」ではなく「競争力」に変えるための実装知を、これからも届け続けます。
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2026年6月5日 世界環境デーに GX Times Lab 創刊編集長 遠藤 翼
(株式会社Unlimited Work Place 代表取締役/一般社団法人 関西GX推進協議会 理事・事務局長)