GX用語解説:水力発電
水力発電とは
水力発電とは、河川やダムに蓄えた水の落差を利用してタービンを回し、電力を生み出す発電方式です。再生可能エネルギーの中でも最も歴史が古く、日本では明治時代から本格導入が始まりました。現在も国内発電電力量の約7〜8%を占め、大規模ダム式から中小規模の流れ込み式まで、多様な形態で運用されています。
結論から言えば、水力発電は「天候に左右されにくく、出力を柔軟に調整できる再エネの主力電源」です。太陽光発電や風力発電と異なり、需要に応じて発電量を機動的に増減できる特性を持つため、他の再エネの出力変動を補う調整電源としての役割も期待されています。
この記事の要点
- 水力発電=河川・ダムの落差を利用してタービンを回す発電方式。日本の発電電力量の約7〜8%を占める。
- 大規模ダム式・流れ込み式・揚水式など、規模・形態がさまざまに存在する。
- 天候に左右されず、出力を機動的に調整できる点が太陽光・風力と異なる強み。
- 揚水式水力は電力を「蓄える」役割も担い、系統の需給調整に活用される。
- 大規模開発の適地はほぼ開発済みで、今後は中小水力の新規開発が中心になる。
実務での使われ方
企業が再エネ電力を調達する際、水力発電由来の電力はRE100等の再エネ目標達成に活用できる主要な選択肢の一つです。特に水力由来の非化石証書やJ-クレジットは、太陽光・風力と比べて発電量が安定している分、年間を通じた再エネ調達計画に組み込みやすいという特徴があります。
中小水力発電は、河川管理者や自治体との調整が必要になるものの、既存の農業用水路や上下水道施設に小規模な発電設備を後付けする「小水力発電」の形で、製造業や地域企業が自家消費用電源として導入するケースも増えています。
詳細説明
水力発電の3つの形式
水力発電は運用方式によって大きく3つに分かれます。河川の水をそのまま利用する「流れ込み式」、ダムに水を貯めて需要に応じて放流する「貯水池式・調整池式」、そして夜間の余剰電力で水を高所に汲み上げ、需要ピーク時に放流して発電する「揚水式」です。揚水式は実質的に大規模な蓄電池として機能し、太陽光発電が急増する日中の余剰電力の吸収や、需給逼迫時の供給力確保に活用されています。
開発の現状と課題
日本国内の大規模水力の適地は明治〜昭和期にほぼ開発が完了しており、資源エネルギー庁の試算でも大規模な新規開発の余地は限定的とされています。一方、出力1,000kW未満程度の中小水力・小水力については、農業用水路やダムの維持流量を活用した開発余地が残されており、地域主導の再エネ電源として注目されています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、再エネ電力調達において水力由来の非化石証書やJ-クレジットを選択肢に含めているかを確認します。第二に、自社工場や施設の近隣に農業用水路・小規模河川がある場合、小水力発電導入の可能性を検討します。第三に、地域の水力発電事業者との地産地消型のPPA契約の可能性を探ります。
約7〜8%(揚水式を含む)
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書」
FAQ
Q1. 水力発電とは何ですか?
河川やダムの水の落差を利用してタービンを回し発電する方式で、日本の発電電力量の約7〜8%を占めます。
Q2. 太陽光・風力とどう違いますか?
天候に左右されにくく、需要に応じて出力を機動的に調整できる点が特徴で、他の再エネの出力変動を補う役割も担います。
Q3. 揚水式水力とは何ですか?
夜間の余剰電力で水を高所に汲み上げ、需要ピーク時に放流して発電する方式で、大規模な蓄電池のような役割を果たします。
Q4. 中堅企業に関係しますか?
水力由来の非化石証書やJ-クレジットは再エネ調達の選択肢となり、立地によっては小水力発電の自家導入も検討できます。
無料ダウンロード
GX用語集ハンドブック(全100語収録)
GX重要用語100語を、経営判断に必要なポイントだけ凝縮。関西GX推進協議会の監修で、取引先からの脱炭素対応にすぐ答えられる一冊です。