GX用語解説:REDD+
REDD+とは
REDD+(Reducing Emissions from Deforestation and forest Degradation)とは、途上国における森林減少・森林劣化を抑制することでGHG排出を削減し、その削減量をクレジットとして評価する国際的な枠組みです。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のもとで交渉が進められ、森林保全に加えて、森林の持続可能な管理や炭素蓄積の増加といった要素も評価対象に含めることから、末尾に「+」が付けられています。
結論から言えば、REDD+は「森林を守ることそのものに経済的価値を与える」仕組みです。世界のGHG排出量の一定割合が森林減少に由来するとされる中、途上国の森林保全に先進国や企業が資金を提供し、その対価としてクレジットを得るという構造が、ボランタリー市場における主要なクレジット類型の一つになっています。
この記事の要点
- REDD+=途上国の森林減少・劣化抑制によるGHG削減をクレジット化する国際的な枠組み。
- 森林保全に加え、持続可能な森林管理・炭素蓄積の増加も評価対象に含む(「+」の由来)。
- ボランタリー市場における主要なカーボンクレジット類型の一つ。
- 森林保全に伴う排出削減を評価するため、「回避型クレジット」に分類される。
- プロジェクトの実効性・永続性(森林が将来伐採されないか)を巡る品質評価が国際的な論点になっている。
実務での使われ方
企業がREDD+由来のカーボンクレジットを購入する場合、自社のGHG排出量のうち、削減しきれない部分を相殺(オフセット)する目的で活用されることが一般的です。Verra(VCS)のような認証機関がREDD+プロジェクトの検証・クレジット発行を担っており、企業はこれらの認証機関のレジストリを通じてクレジットを調達します。
近年は、単にクレジットを購入するだけでなく、REDD+プロジェクトの実施地域との関係構築や、原材料調達地における森林保全活動への直接的な資金提供という形で関与する企業も増えており、サプライチェーンの持続可能性向上にもつながる取組みとして注目されています。
詳細説明
クレジット品質を巡る課題
REDD+由来のクレジットは、「もしプロジェクトがなければ本当に森林が失われていたのか」(追加性)や、「保全した森林が将来にわたって本当に維持されるのか」(永続性)、「保全対象地域の伐採圧力が別の場所に移転していないか」(リーケージ)といった論点で、品質評価が分かれることがあります。こうした課題への対応として、ICVCMのコアカーボン原則など、クレジットの品質を担保するための国際的な基準整備が進んでいます。
UNFCCC交渉における位置づけ
REDD+は当初、京都議定書の枠組みの外で個別に議論が進められてきましたが、パリ協定6条のもとでの国際的な炭素市場メカニズムとも接続され始めており、国家間の緩和成果移転の対象としてREDD+由来の削減量が活用される事例も出てきています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が原材料調達等で森林減少リスクの高い地域と関わりがないかを確認します。第二に、GHG排出量のオフセット手段としてREDD+クレジットを検討する場合、品質評価(追加性・永続性・リーケージ)を確認します。第三に、クレジット購入にとどまらず、サプライチェーン上流での森林保全活動への関与可能性も検討します。
追加性(プロジェクトなしでは削減できなかったか) / 永続性 / リーケージ(伐採圧力の移転)
出典:UNFCCC/ICVCM
FAQ
Q1. REDD+とは何ですか?
途上国の森林減少・劣化抑制によるGHG削減をクレジット化する国際的な枠組みです。森林の持続可能な管理も評価対象に含みます。
Q2. どんな企業が活用していますか?
GHG排出量のオフセットを目的に、Verra等の認証機関を通じてREDD+由来のクレジットを購入する企業が広く活用しています。
Q3. 品質面での課題は?
追加性・永続性・リーケージといった論点があり、ICVCMのコアカーボン原則等の国際基準で品質担保が進められています。
Q4. 中堅企業に関係しますか?
森林減少リスクの高い地域から原材料調達を行う企業にとって、サプライチェーンリスクの評価材料としても参考になります。
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