GX用語解説:コーポレートガバナンスコード
コーポレートガバナンスコードとは
コーポレートガバナンスコードとは、東京証券取引所と金融庁が共同で策定した、上場企業が実効的なコーポレートガバナンス(企業統治)を実現するための行動原則を定めた指針です。2015年の初版策定以来、複数回の改訂を経ており、直近の改訂では気候変動対応やサステナビリティに関する取締役会の関与・監督が、ガバナンス上の重要課題として明確に位置づけられています。
結論から言えば、コーポレートガバナンスコードは「気候変動対応が、もはや現場任せでは済まされず、取締役会マターである」ことを明文化した指針です。TCFD提言の「ガバナンス」の柱が求める内容とも重なり、サステナビリティを巡る取締役会の役割・体制整備が上場企業に強く求められるようになっています。
この記事の要点
- コーポレートガバナンスコード=東証・金融庁が策定した、上場企業の企業統治に関する行動原則。
- 「コンプライ・オア・エクスプレイン」方式を採用し、原則に従わない場合はその理由の説明を求める。
- 改訂を重ねる中で、気候変動・サステナビリティに関する取締役会の関与・監督が重要課題として明記された。
- TCFD提言の「ガバナンス」の柱が求める内容と多くが重なる。
- プライム市場上場企業には、より高度な情報開示とガバナンス体制の整備が求められる。
実務での使われ方
コーポレートガバナンスコードは法律ではなく、上場規則を通じて上場企業に適用される行動原則です。企業は各原則を「実施する」か、実施しない場合はその理由を「説明する」かのいずれかを選択する「コンプライ・オア・エクスプレイン」方式のもと、コーポレートガバナンス報告書を通じて対応状況を開示します。気候変動対応に関しては、取締役会がサステナビリティ課題を経営戦略の一部として審議しているか、社外取締役を含む監督体制が機能しているかといった点が、投資家から厳しく見られるようになっています。
中堅企業であっても、上場企業である場合はコーポレートガバナンス報告書の作成・開示が求められるため、気候変動対応を取締役会の議題としてどう位置づけるかが実務上の課題になります。
詳細説明
TCFDとの関係
TCFD提言は、気候関連リスク・機会について「ガバナンス」(取締役会・経営陣の監督体制)、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4本柱での開示を求めますが、このうち「ガバナンス」の要求内容は、コーポレートガバナンスコードが求める取締役会の実効性確保の考え方と密接に重なります。プライム市場上場企業がTCFD(またはそれと同等の枠組み)に基づく開示を行うことは、コーポレートガバナンスコードの補充原則としても明記されています。
改訂の経緯とサステナビリティの位置づけ
コーポレートガバナンスコードは2015年の初版策定以降、2018年・2021年と改訂が重ねられ、改訂のたびにサステナビリティ・気候変動関連の記載が強化されてきました。2021年改訂では、プライム市場上場企業に対してTCFDまたはそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示の質と量の充実を求める記載が追加され、開示の実質的な義務化に近い運用が進んでいます。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社(または親会社)がコーポレートガバナンス報告書の提出義務を負う上場企業かを確認します。第二に、気候変動関連の課題が取締役会でどのように審議・監督されているかを整理します。第三に、TCFD相当の開示を行っていない場合、その対応方針を検討します。
コンプライ・オア・エクスプレイン(原則を実施するか、実施しない理由を説明するか)
出典:東京証券取引所・金融庁
FAQ
Q1. コーポレートガバナンスコードとは何ですか?
東証・金融庁が策定した、上場企業の実効的な企業統治のための行動原則です。気候変動対応も重要課題として含まれます。
Q2. 法律とどう違いますか?
法的拘束力を持つ法律ではなく、上場規則を通じて適用される行動原則で、「コンプライ・オア・エクスプレイン」方式が採用されています。
Q3. TCFDとの関係は?
コーポレートガバナンスコードの改訂により、プライム市場上場企業にはTCFD相当の気候変動開示の充実が求められています。
Q4. 中堅企業は何を確認すればよいですか?
上場企業であれば、気候変動課題が取締役会でどう審議・監督されているかを整理し、開示体制を点検することが重要です。
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