GX用語解説:PRB
PRB(責任銀行原則)とは
PRB(Principles for Responsible Banking、責任銀行原則)とは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が策定した、銀行業界向けの責任ある経営を求める国際原則です。銀行が自らの事業戦略をパリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)と整合させることを求めており、2019年の策定以来、世界の主要銀行が署名しています。
結論から言えば、PRBは「銀行自身がESGにコミットする」ための国際的な枠組みです。PRI(責任投資原則)が機関投資家向けであるのに対し、PRBは融資を行う銀行業界向けの姉妹原則にあたり、企業への融資判断にもESGの視点が組み込まれる流れを後押ししています。
この記事の要点
- PRB=UNEP FIが策定した銀行業界向けの責任ある経営を求める国際原則。
- 2019年策定。銀行の事業戦略をパリ協定・SDGsと整合させることを求める。
- PRI(機関投資家向け)の姉妹原則にあたる、銀行業界向けの枠組み。
- 署名銀行は、影響分析・目標設定・進捗報告などを定期的に行う。
- 企業への融資判断にESGの視点が組み込まれる流れを後押ししている。
実務での使われ方
取引金融機関がPRBに署名している場合、企業は融資審査の過程で、自社の脱炭素目標や環境・社会への取組み状況について説明を求められる可能性が高まります。特に、エネルギー多消費産業や、環境負荷の大きい事業を営む企業にとっては、融資条件やコストにESGへの取組みが影響し始めていることを意識する必要があります。
一方で、脱炭素投資やサステナビリティリンクローン(SLL)のような、ESG目標の達成に応じて有利な条件が得られる融資商品も、PRBに署名する銀行を中心に広がっています。
詳細説明
PRBが求める実践
PRBに署名した銀行は、自行の融資・投資ポートフォリオが社会・環境に与える影響を分析し、重要な影響領域について具体的な目標を設定したうえで、その進捗を定期的に開示することが求められます。これにより、銀行の融資方針そのものが、脱炭素社会への移行を後押しする方向に調整されていきます。
PRIとの役割分担
PRIが株式・債券などへの投資判断にESGを組み込む機関投資家向けの原則であるのに対し、PRBは融資判断にESGを組み込む銀行向けの原則です。金融システム全体でESGを主流化する取組みとして、両者は補完的な役割を果たしています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の主要取引金融機関がPRBに署名しているかを確認します。第二に、融資審査で求められ得るESG関連の説明事項を整理します。第三に、サステナビリティリンクローンなど、ESG目標と連動した融資商品の活用可能性を検討します。
影響分析 → 目標設定 → 進捗の定期開示
出典:国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)
FAQ
Q1. PRB(責任銀行原則)とは何ですか?
UNEP FIが策定した、銀行の事業戦略をパリ協定・SDGsと整合させることを求める国際原則です。2019年に策定されました。
Q2. PRIとの違いは?
PRIは機関投資家向けの責任投資原則、PRBは銀行業界向けの責任ある融資・経営を求める姉妹原則です。
Q3. 企業にどう影響しますか?
取引金融機関がPRB署名行であれば、融資審査でESGへの取組み状況の説明を求められる可能性が高まります。
Q4. 中堅企業は何をすればよいですか?
主要取引金融機関の署名状況を確認し、想定される説明事項を整理したうえで、ESG連動型融資商品の活用も検討します。
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