GX用語解説:グリーンプレミアム
グリーンプレミアムとは
グリーンプレミアムとは、脱炭素な製品や燃料を選んだ場合に、従来の化石燃料由来の製品と比べて追加で発生するコスト差のことです。マイクロソフト創業者ビル・ゲイツが自著で広めた概念で、たとえばSAF(持続可能な航空燃料)は従来のジェット燃料より価格が高く、その差額がグリーンプレミアムにあたります。
結論から言えば、グリーンプレミアムは「脱炭素にはいくら追加コストがかかるか」を可視化する考え方です。技術の普及や規模の拡大とともにこのプレミアムは縮小していく傾向がありますが、現時点でどの分野にどれだけの上乗せコストが発生するかを把握することは、投資判断や価格転嫁の検討に直結します。
この記事の要点
- グリーンプレミアム=脱炭素製品・燃料と従来品との価格差。
- SAFなど、化石燃料由来の代替が難しい分野で特に大きくなりやすい。
- 技術普及とともに縮小する傾向があり、政策支援で早める動きもある。
- 取引先への価格転嫁や自社の負担配分を検討する材料になる。
- インターナルカーボンプライシングと組み合わせて投資判断に活用される。
実務での使われ方
脱炭素な原材料・燃料・製品を選ぶかどうかの判断では、グリーンプレミアムの大きさが重要な要素になります。プレミアムが小さい分野(再エネ電力など)は切り替えのハードルが低く、プレミアムが大きい分野(SAFなど)は転嫁や補助の設計が必要になります。取引先から脱炭素な製品・原材料を求められる場合、このコスト差をどう負担・配分するかが交渉の論点になります。
投資判断の場面では、インターナルカーボンプライシング(企業が投資判断に用いる仮想炭素価格)と組み合わせて、グリーンプレミアムを負担してでも脱炭素投資を進める価値があるかを評価する使い方もあります。
詳細説明
プレミアムの大きさは分野で異なる
グリーンプレミアムの大きさは分野によって大きく異なります。再エネ電力への切り替えは比較的プレミアムが小さくなってきている一方、SAFや水素還元製鉄のように、代替技術のコストが高い分野では大きなプレミアムが残ります。自社が扱う製品・燃料がどの位置にあるかを把握することが、脱炭素投資の優先順位づけに役立ちます。
プレミアムを縮小させる要因
グリーンプレミアムは、技術開発による製造コストの低下、生産規模の拡大、政策的な補助やカーボンプライシングによる化石燃料側のコスト上昇などによって縮小していきます。長期的には多くの分野でプレミアムがゼロに近づくと見込まれていますが、その速度は分野ごとに異なります。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が使用・提供する製品や燃料で、脱炭素な代替品とのコスト差(グリーンプレミアム)がどの程度あるかを把握します。第二に、そのコストを自社で吸収するか、価格転嫁するかを検討します。第三に、プレミアムが縮小する見通しを踏まえ、投資のタイミングを判断します。
脱炭素製品・燃料コスト − 従来品コスト = プレミアム
出典:『地球の未来のため僕が決断したこと』(ビル・ゲイツ)ほか
FAQ
Q1. グリーンプレミアムとは何ですか?
脱炭素な製品や燃料を選んだ場合に、従来の化石燃料由来の製品と比べて追加で発生するコスト差のことです。
Q2. どの分野で大きくなりやすいですか?
SAFや水素還元製鉄など、化石燃料由来からの代替技術のコストがまだ高い分野で、グリーンプレミアムは大きくなりやすい傾向があります。
Q3. プレミアムはどう縮小しますか?
技術開発によるコスト低下、生産規模の拡大、政策的な補助やカーボンプライシングによる化石燃料側のコスト上昇などにより縮小していきます。
Q4. 中堅企業はどう活用すればよいですか?
自社が扱う製品・燃料のグリーンプレミアムを把握し、負担するか転嫁するかを検討したうえで、縮小の見通しを踏まえて投資タイミングを判断します。
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