GX用語解説:ブルーカーボン
ブルーカーボンとは
ブルーカーボンとは、海洋・沿岸生態系が吸収・貯留する炭素の総称です。マングローブ林、海草藻場(アマモ場など)、干潟・塩性湿地といった沿岸生態系が対象で、森林など陸上生態系が貯留する「グリーンカーボン」と対をなす概念として、国連環境計画(UNEP)が2009年の報告書で提唱しました。
結論から言えば、ブルーカーボンはネイチャーポジティブや生物多様性保全と、CO2吸収源としての価値を同時に持つ点が特徴です。日本では港湾・沿岸部を持つ自治体や企業が、藻場・干潟の保全・再生を通じてCO2吸収量を認証する「Jブルークレジット」の取組みが広がっています。
この記事の要点
実務での使われ方
沿岸部に事業拠点を持つ企業、港湾関連事業者、水産・観光業などにとって、ブルーカーボンは自然資本との接点を具体的に示せるテーマです。藻場・干潟の保全・再生活動に取り組み、その成果を「Jブルークレジット」として認証・取引することで、CO2吸収量を対外的に示すとともに、地域の生態系保全にも貢献できます。
また、カーボンクレジットとしての活用に加え、TNFD開示における自然関連の取組み事例としても位置づけられます。地域と連携した保全活動は、ブランディングやステークホルダーとの関係構築にもつながります。
詳細説明
グリーンカーボンとの違い
陸上の森林などが貯留する炭素は「グリーンカーボン」と呼ばれます。これに対しブルーカーボンは、マングローブ林・海草藻場・干潟や塩性湿地といった沿岸生態系が対象です。海洋生態系は面積あたりの炭素貯留能力が高く、森林に匹敵する、あるいはそれを上回るCO2吸収源として近年注目が高まっています。
Jブルークレジット制度
日本では、藻場・干潟の保全・再生によるCO2吸収量を認証する「Jブルークレジット」制度が運用されています。自治体・港湾関係者・漁業者・企業などが協働で保全活動を行い、その成果をクレジット化して企業が購入できる仕組みです。J-クレジットとは別の、海洋生態系に特化した制度として位置づけられます。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の事業拠点や取引先が沿岸部にあるかを確認します。第二に、地域の藻場・干潟保全活動やJブルークレジットの取組み事例を調べます。第三に、CO2吸収量の活用だけでなく、地域連携やブランディングの観点からも参加の意義を検討します。
マングローブ林 / 海草藻場 / 干潟・塩性湿地
出典:国連環境計画(UNEP)/国土交通省
FAQ
Q1. ブルーカーボンとは何ですか?
マングローブ林・海草藻場・干潟など、海洋・沿岸生態系が吸収・貯留する炭素の総称です。陸上のグリーンカーボンと対をなす概念です。
Q2. グリーンカーボンとの違いは?
グリーンカーボンは森林など陸上生態系が対象、ブルーカーボンはマングローブや海草藻場など海洋・沿岸生態系が対象という違いがあります。
Q3. Jブルークレジットとは何ですか?
藻場・干潟の保全・再生によるCO2吸収量を認証する日本の制度です。地域と協働した保全活動の成果を企業がクレジットとして購入できます。
Q4. 中堅企業はどう関われますか?
沿岸部に事業拠点がある場合、地域の藻場・干潟保全活動への参加やJブルークレジットの活用を通じて、CO2吸収と生物多様性保全の両方に貢献できます。
無料ダウンロード
GX用語集ハンドブック(全100語収録)
GX重要用語100語を、経営判断に必要なポイントだけ凝縮。関西GX推進協議会の監修で、取引先からの脱炭素対応にすぐ答えられる一冊です。
タグ :