GX用語解説:EPD
EPD(環境製品宣言)とは
EPD(Environmental Product Declaration、環境製品宣言)とは、製品のライフサイクル全体における環境影響(CO2排出量・資源使用量・水使用量など)を定量的なデータとして開示する、国際規格ISO14025に基づく第三者検証済みの環境表示です。特定の合否基準を設けず、算定結果をそのまま開示する点が、他の環境ラベルとの大きな違いです。
結論から言えば、EPDは「製品の環境影響を、隠さずそのまま数字で見せる」仕組みです。エコマークのように基準への適合を認証する仕組みとは異なり、EPDは数値そのものを開示することで、調達側が自ら比較・判断できるようにする設計になっています。建材・建築分野を中心に普及が進んでいます。
この記事の要点
- EPD=製品のライフサイクル環境影響を定量開示する国際規格(ISO14025)に基づく表示。
- 合否基準を設けず、算定結果をそのまま開示する点が特徴。
- ISOの環境ラベル分類では「タイプIII環境宣言」に位置づけられる。
- 建材・建築分野を中心に普及が進んでいる。
- エンボディドカーボンの算定・開示とも密接に関連する。
実務での使われ方
建材メーカーにとって、EPDの取得は自社製品の環境性能をゼネコンや建築主に定量的に示す手段です。ZEBやLEEDのような建築物の環境性能評価では、使用する建材のEPDデータが、建物全体のエンボディドカーボン算定の基礎データとして活用されることがあります。
EPDのデータは業界横断のデータベースに登録されることが多く、設計者や調達担当者が複数の製品を比較検討する際の材料になります。海外の建築プロジェクトに関わる企業にとっても、EPDへの対応が求められる場面が増えています。
詳細説明
タイプI・II・IIIという環境ラベルの分類
ISO14020シリーズは環境ラベルを3類型に分類しています。第三者が基準適合を認証する「タイプI」(エコマークが該当)、事業者が自己宣言する「タイプII」、そしてライフサイクル環境影響を定量開示する「タイプIII」がEPDです。EPDは第三者による検証を受けつつ、合否判定ではなく数値そのものを開示する点で、他の2類型と性格が異なります。
建築分野での重要性
建築物の環境性能評価では、建設段階のCO2排出(エンボディドカーボン)を正確に把握することが重要になっています。個々の建材のEPDデータを積み上げることで、建物全体のライフサイクルCO2を算定できるため、EPDは建築分野の脱炭素化を進めるうえでの基礎インフラとしての役割を担っています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が建材・建築関連製品を扱う場合、EPD取得の必要性を検討します。第二に、取引先(ゼネコン・建築主等)からEPDデータの提供を求められる可能性を確認します。第三に、LCA算定の体制を整え、将来的なEPD取得に備えます。
タイプI=第三者認証(エコマーク) / タイプII=自己宣言 / タイプIII=定量開示(EPD)
出典:ISO14025
FAQ
Q1. EPDとは何ですか?
製品のライフサイクル全体の環境影響を定量的に開示する、国際規格ISO14025に基づく第三者検証済みの環境表示です。
Q2. エコマークとの違いは?
エコマークは基準への適合を認証しますが、EPDは合否判定を設けず、算定結果の数値そのものを開示する点が異なります。
Q3. どんな分野で使われますか?
建材・建築分野を中心に普及が進んでおり、建物全体のエンボディドカーボン算定の基礎データとしても活用されます。
Q4. 中堅企業は何を確認すればよいですか?
建材・建築関連製品を扱う場合はEPD取得の必要性を検討し、取引先からのデータ提供要請にも備えてLCA算定体制を整えます。
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