GX用語解説:インパクト投資
インパクト投資とは
インパクト投資とは、財務的なリターンの獲得を目指しながら、同時に環境・社会課題の解決に向けた測定可能なポジティブなインパクト(効果)を意図的に生み出すことを目的とする投資手法です。ESG投資がリスク管理・企業評価の観点からESG要素を投資判断に組み込む手法であるのに対し、インパクト投資は「社会的インパクトの創出」そのものを投資目的として明確に位置づける点が異なります。
結論から言えば、インパクト投資は「儲けと社会貢献を両立させる」ことを前提に設計された投資手法です。世界のインパクト投資市場は急速に拡大しており、再生可能エネルギー、マイクロファイナンス、アフォーダブル住宅、医療アクセス改善など、社会課題の解決と収益性を両立できる分野に資金が流れ込んでいます。
この記事の要点
実務での使われ方
機関投資家やベンチャーキャピタルがインパクト投資を行う際は、投資対象企業に対して財務リターンの見込みだけでなく、その事業がどのような社会的インパクト(CO2削減量、雇用創出数、アクセス改善人数等)を生み出すかを事前に定義し、投資後も継続的にモニタリングすることが一般的です。多くの投資家が、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の各ゴールと自社のインパクト投資の対象分野を紐づけて説明しています。
中堅企業にとって、インパクト投資は資金調達の選択肢の一つとして意識する価値があります。特に再エネ発電事業や、地域課題の解決に資する事業を営む企業は、通常の融資・出資に加えて、インパクト投資を専門とするファンドからの資金調達可能性を検討できます。
詳細説明
インパクトの「意図性」「測定可能性」「追加性」
インパクト投資業界の国際的なネットワーク組織GIIN(Global Impact Investing Network)は、インパクト投資の要件として「意図性」(社会的・環境的インパクトを生み出す明確な意図を持つこと)、「測定可能性」(インパクトの成果を定量的に測定・報告すること)、そして「追加性」(その投資がなければ実現しなかったであろう効果を生み出すこと)の3点を重視しています。単に「良い会社に投資する」のではなく、投資という行為自体が新たな社会的価値を生み出しているかが問われる点が、通常のESG投資との大きな違いです。
ESG投資との関係(スペクトラムの考え方)
インパクト投資は、伝統的な投資(財務リターンのみを追求)から、フィランソロピー(社会貢献のみを追求し財務リターンを求めない)までの間に広がる「投資スペクトラム」の中で、ESG投資よりもさらに社会的インパクト重視側に位置づけられます。ESG投資が「悪影響の回避・リスク管理」に重心を置くのに対し、インパクト投資は「良い影響の積極的な創出」に重心を置くという整理がよく用いられます。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の事業がどのような社会的・環境的インパクト(CO2削減、雇用創出、地域活性化等)を生んでいるかを整理します。第二に、そのインパクトを定量的に説明できる指標(削減量、人数等)を用意します。第三に、インパクト投資を専門とするファンドや金融機関との対話の機会を探ります。
意図性 / 測定可能性 / 追加性
出典:GIIN(Global Impact Investing Network)
FAQ
Q1. インパクト投資とは何ですか?
財務的なリターンを目指しながら、測定可能な環境・社会的インパクトの創出を意図的に目指す投資手法です。
Q2. ESG投資との違いは?
ESG投資がリスク管理・企業評価の観点でESG要素を考慮するのに対し、インパクト投資はインパクトの創出自体を投資目的とします。
Q3. どんな分野に投資されますか?
再生可能エネルギー、マイクロファイナンス、アフォーダブル住宅、医療アクセス改善など、社会課題解決と収益性を両立できる分野が中心です。
Q4. 中堅企業に関係しますか?
再エネ発電事業や地域課題解決型の事業を営む企業にとって、インパクト投資ファンドからの資金調達が選択肢の一つになります。
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