生物多様性——生態系・種・遺伝子の多様性。自然資本の土台。
生物多様性とは
生物多様性とは、生態系・種・遺伝子という3つのレベルの多様性を指します。1992年採択の生物多様性条約(CBD)の基本概念です。
気候変動に続く経営テーマとして関心が高まっています。ネイチャーポジティブやTNFD開示と連動し、取引先・投資家の評価軸に入り始めています。
この記事の要点
- 生物多様性=生態系・種・遺伝子という3つのレベルの多様性。CBDの基本概念。
- 2022年の昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)で2030年までの世界目標が定まった。
- 中心は30by30(陸海30%保全)とネイチャーポジティブ(自然損失の反転)。
- 自然への依存・影響の開示はTNFDが枠組みを示す。気候の次の開示テーマ。
- 食品・繊維・建設など、調達や立地で自然に依存する業種ほど影響が大きい。
実務での使われ方
原材料の調達や工場・店舗の立地は、森林・水・土壌といった自然に依存しています。その依存と影響が、取引先や投資家から問われ始めています。
調達基準に「持続可能な原料」や「生物多様性への配慮」が加わり、評価や取引の条件になりつつあります。気候(脱炭素)に続く対応領域として準備が要ります。
詳細説明
生物多様性の3つのレベル
生物多様性は、生態系(森林・湿地・海など)、種(動植物の種類)、遺伝子(同じ種の中の遺伝的な違い)という3つのレベルで捉えます。
これらが生む水の浄化・受粉・気候の調整などの便益を「生態系サービス」と呼びます。事業活動はこの便益に支えられています。
国際的な目標の枠組み
2022年のCOP15で、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)が採択されました。23の行動目標を持ち、2030年までの世界共通の方向を示します。
中心は30by30(2030年までに陸と海の30%以上を保全)と、ネイチャーポジティブ(2030年に自然損失を反転させ正味プラスに転じる)です。
企業に求められる対応
自然への依存とリスクの開示はTNFDが枠組み(LEAPという4段階の評価手順)を示しています。気候のTCFDに対応する自然版です。
科学的根拠に基づく自然目標の枠組み(SBTN)も整備が進みます。まずは自社事業と自然の接点(依存・影響)を把握し、影響の大きい調達や立地から見直すのが出発点です。
FAQ
Q1. 生物多様性とは何ですか?
生態系・種・遺伝子という3つのレベルの多様性です。1992年採択の生物多様性条約(CBD)の基本概念です。
Q2. 生物多様性は中堅企業に関係しますか?
原材料の調達(森林・農水産)や立地を通じて関わります。取引先や投資家からの関心も高まっています。
Q3. 脱炭素とどう違いますか?
脱炭素は気候(GHG)が対象です。生物多様性は森林・水・生き物など自然全般が対象で、TNFD開示やネイチャーポジティブと連動します。
Q4. 何から始めればよいですか?
自社事業と自然の接点(依存と影響)の把握から始めます。影響の大きい調達や立地を優先し、TNFDの評価手順が参考になります。
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