GX用語解説:アディショナリティ(追加性)
アディショナリティ(追加性)とは
アディショナリティ(Additionality、追加性)とは、ある投資や契約がなければ実現しなかったはずの、新規の再エネ導入や排出削減が実際に生まれていることを示す性質です。PPAやカーボンクレジットの「質」を評価するうえで、最も重視される考え方の一つです。
結論から言えば、アディショナリティは「その取り組みが本当に世界の排出削減に貢献しているか」を見極める物差しです。すでに稼働している再エネ発電所から証書だけを購入しても、新たな再エネ設備は増えません。これに対し、新設の発電所と長期契約を結ぶフィジカルPPAのような取り組みは、追加性があると評価されやすくなります。
この記事の要点
実務での使われ方
企業が再エネ調達やカーボンクレジットの活用を対外的にアピールする際、アディショナリティの有無が「グリーンウォッシュではないか」という評価の分かれ目になります。取引先や投資家からの視線が厳しくなるなか、単に証書やクレジットを購入するだけでなく、追加性のある取り組みかどうかを説明できることが重要になっています。
再エネ調達では、新設の発電所と契約するフィジカルPPAやコーポレートPPAが、既存設備由来の証書購入より追加性が高いとされます。カーボンクレジットでも、J-クレジットなどの認証制度は、プロジェクトが追加性を満たすかを審査の要件としています。
詳細説明
PPAにおける追加性
すでに稼働中の発電所の環境価値だけを購入する場合、その契約があってもなくても発電所は同じように稼働しているため、追加性は乏しいとされます。一方、契約をきっかけに新しい発電所が建設されるフィジカルPPAのような取り組みは、契約がなければ生まれなかった再エネ電源を生み出すため、追加性があると評価されます。
カーボンクレジットにおける追加性
カーボンクレジットの認証制度では、対象のプロジェクトが「クレジット収入がなければ実施されなかったこと」を示す必要があります。すでに実施が確実な取り組み(規制で義務化されている対策など)は、追加性がないと判断され、クレジット化の対象から外れます。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が検討する再エネ調達やクレジット活用が、追加性のある取り組みかを確認します。第二に、証書購入だけでなく、新設案件との契約や高品質なクレジットの選定を検討します。第三に、対外的な説明の際は、追加性の有無を含めて根拠を示せるようにします。
その投資・契約がなければ、削減・導入は起こらなかったか
出典:GHGプロトコル/各種カーボンクレジット認証基準
FAQ
Q1. アディショナリティ(追加性)とは何ですか?
ある投資や契約がなければ実現しなかったはずの、新規の再エネ導入や排出削減が実際に生まれていることを示す性質です。
Q2. なぜPPAで重視されるのですか?
既存設備からの証書購入だけでは新たな再エネ電源が増えないためです。新設発電所との契約は、契約がなければ生まれなかった電源を生むため追加性が高いとされます。
Q3. カーボンクレジットではどう扱われますか?
クレジット認証制度は、対象プロジェクトがクレジット収入なしには実施されなかったことを求めます。規制で義務化された対策などは対象外になります。
Q4. 中堅企業は何に気をつければよいですか?
再エネ調達やクレジット活用が追加性のある取り組みかを確認し、対外的な説明でその根拠を示せるようにしておくことが重要です。
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