GX用語解説:EUDR(EU森林破壊防止規則)
EUDR(EU森林破壊防止規則)とは
EUDR(EU Deforestation Regulation、EU森林破壊防止規則)とは、森林破壊に関わる産品がEU市場に流通することを規制する、EUの規則です。対象品目は、牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・天然ゴムの7品目とその派生製品(革製品・チョコレート・家具など)で、事業者はこれらの産品が森林破壊を伴わずに生産されたことを証明するデューデリジェンスを行う義務を負います。
結論から言えば、EUDRはCSDDDと同様、EUが自国市場を通じてサプライチェーン全体に環境基準を波及させる規制です。対象品目やその加工品をEUに輸出・販売する日本企業(直接・間接を問わず)は、原材料の生産地情報を含むトレーサビリティの確保が求められます。
この記事の要点
- EUDR=森林破壊を伴う産品のEU市場流通を規制するEU規則。
- 対象は牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・天然ゴムの7品目と派生製品。
- 事業者に生産地の特定と森林破壊がないことの証明(デューデリジェンス)を義務づける。
- CSDDDと同様、EU市場を通じてサプライチェーンに基準を波及させる規制。
- 違反時には罰金や対象産品のEU市場からの排除措置がありうる。
実務での使われ方
対象品目やその加工品(チョコレート・革製品・木製家具・ゴム製品など)をEUに輸出する企業、またはそうした企業のサプライヤーである日本企業にとって、EUDRは原材料の生産地情報を正確に把握し、記録しておくことを求めます。生産地の地理座標データの提出が必要になる場合もあり、サプライチェーンの上流までさかのぼった情報収集が実務上の課題になります。
森林認証制度であるFSC認証のような仕組みを活用することは、EUDR対応の一助になりますが、FSC認証だけで自動的にEUDRの要件を満たすわけではなく、規則が求める具体的なデューデリジェンス手続きを別途行う必要があります。
詳細説明
対象品目と適用範囲
EUDRの対象は、牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・天然ゴムの7品目、およびそれらを原材料とする加工品(革製品・チョコレート・紙・家具・タイヤなど)です。EU市場に一次産品または加工品を出荷する事業者は、原則としてこれらの産品が2020年12月31日以降に森林破壊が行われた土地で生産されていないことを証明する義務を負います。
CBAM・CSDDDとの位置づけの違い
CBAMは鉄鋼・アルミなど炭素集約型産品の炭素コストを調整する制度、CSDDDは人権・環境全般のデューデリジェンスを求める指令です。これに対しEUDRは、森林破壊という特定の環境課題に絞って、対象品目のトレーサビリティを求める規則という位置づけです。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が扱う原材料・製品がEUDRの対象7品目またはその派生製品に該当するかを確認します。第二に、EU向け取引がある場合、原材料の生産地情報(産地・地理座標等)を把握できる体制があるかを確認します。第三に、FSC認証など、トレーサビリティを補完する認証の活用を検討します。
牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・天然ゴム
出典:欧州委員会(EU森林破壊防止規則)
FAQ
Q1. EUDRとは何ですか?
森林破壊に関わる産品がEU市場に流通することを規制するEUの規則です。対象7品目とその加工品にトレーサビリティの確保を求めます。
Q2. 対象品目は何ですか?
牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・天然ゴムの7品目と、革製品・チョコレート・家具などの派生製品が対象です。
Q3. CSDDDとの違いは?
CSDDDは人権・環境全般のデューデリジェンスを求める指令、EUDRは森林破壊という特定課題に絞って対象品目のトレーサビリティを求める規則です。
Q4. 中堅企業は何を確認すればよいですか?
自社の原材料・製品が対象品目に該当するかを確認し、EU向け取引がある場合は生産地情報を把握できる体制を整えます。
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