GX用語解説:CDPウォーター
CDPウォーターとは
CDPウォーターとは、企業の情報開示プラットフォームであるCDPが運営する、水セキュリティ(水資源に関するリスクと対応)に特化した開示質問書・評価制度です。企業に対し、自社およびサプライチェーンにおける水の使用量、取水による地域への影響、渇水や水質汚染などの水リスクへの対応状況を開示させ、CDPが気候変動と同様にA〜Dのスコアで評価します。
結論から言えば、CDPウォーターはCDPの気候変動質問書と並ぶ、企業の環境情報開示におけるもう一つの柱です。製造業など水を多く使用する産業にとって、気候変動だけでなく水資源も重要な経営リスクであるという認識が、投資家の間で広がっています。
この記事の要点
- CDPウォーター=CDPが運営する水セキュリティに関する開示制度。
- 水の使用量、取水による地域影響、渇水・水質汚染リスクへの対応を開示。
- 気候変動質問書と同様、A〜Dのスコアで企業を評価する。
- 製造業など水を多く使う産業にとって重要性が高い。
- 投資家がESG評価の一環として水リスクへの対応を確認する材料になる。
実務での使われ方
飲料・食品・繊維・半導体など、製造工程で大量の水を使用する産業では、水リスクは気候変動リスクと並ぶ重要な経営課題です。投資家や取引先からCDPを通じた水リスクの開示を求められるケースがあり、自社の取水量・排水の水質・地域の水ストレス状況などを把握し、開示できる体制が必要になります。
水リスクへの対応は、単なる情報開示にとどまらず、製造拠点の立地選定や、節水・排水処理技術への投資判断にも直結します。シナリオ分析を通じて、将来の渇水リスクが事業に与える影響を評価する企業も増えています。
詳細説明
気候変動質問書との違い
CDPは気候変動・森林・水セキュリティという3つの質問書を運営しており、CDPウォーターはそのうち水を専門に扱う枠組みです。気候変動質問書がGHG排出量を中心に評価するのに対し、CDPウォーターは取水量・排水の水質・地域社会や生態系への影響など、水資源に特化した項目を評価します。
水リスクの3つの側面
水リスクは大きく、量的リスク(渇水・水不足)、質的リスク(水質汚染)、規制・評判リスク(地域社会との水利用を巡る対立など)に整理されます。CDPウォーターの開示項目は、これら3つの側面を包括的にカバーするよう設計されています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の主要拠点が水ストレスの高い地域にあるかを確認します(公開されている水リスクマップ等を活用)。第二に、自社の取水量・排水量の実績を把握します。第三に、取引先や投資家から水リスクの開示を求められた場合に備え、基礎的なデータ収集体制を整えます。
気候変動 / 森林 / 水セキュリティ(CDPウォーター)
出典:CDP
FAQ
Q1. CDPウォーターとは何ですか?
CDPが運営する、水セキュリティに関する開示質問書・評価制度です。企業の水使用量や水リスクへの対応状況をA〜Dでスコア評価します。
Q2. 気候変動質問書との違いは?
気候変動質問書はGHG排出量を中心に評価しますが、CDPウォーターは取水量・排水の水質・地域社会への影響など水資源に特化した項目を評価します。
Q3. どんな産業に関係が深いですか?
飲料・食品・繊維・半導体など、製造工程で大量の水を使用する産業にとって特に重要性が高い開示項目です。
Q4. 中堅企業は何から始めればよいですか?
自社拠点の水ストレス状況を確認し、取水量・排水量の実績を把握したうえで、基礎的なデータ収集体制を整えます。
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