GX用語解説:JCM
JCM(二国間クレジット制度)とは
JCM(Joint Crediting Mechanism、二国間クレジット制度)とは、日本が途上国に脱炭素技術・製品・システムを提供し、その結果生まれた温室効果ガスの削減・吸収量を、日本と相手国の両方の削減目標達成に活用できるようにする日本独自の制度です。日本政府が2013年から構築を進め、現在は約30の国・地域とパートナーシップを結んでいます。
結論から言えば、JCMは「日本の脱炭素技術で途上国を支援しながら、自国の削減目標にも活かす」一石二鳥の仕組みです。パリ協定6条が定める国家間の市場メカニズムの考え方を、日本が先駆けて二国間で具体化した制度と位置づけられます。
この記事の要点
- JCM=日本が途上国に脱炭素技術を提供し、削減成果を両国で分け合う二国間クレジット制度。
- 2013年から構築が進み、現在約30の国・地域とパートナーシップを締結。
- パリ協定6条の市場メカニズムの考え方を先駆けて具体化した制度。
- 省エネ設備・再エネ発電・廃棄物処理など幅広い分野のプロジェクトが対象。
- 日本企業の海外プロジェクトが、JCMクレジットの創出主体になり得る。
実務での使われ方
途上国で省エネ設備や再エネ発電設備を導入するプロジェクトを実施する日本企業にとって、JCMはそのプロジェクトの環境価値をクレジットとして認証してもらえる仕組みです。認証されたクレジットは、日本政府がその一部を自国の削減目標に活用する一方、企業も自社のカーボンニュートラル目標達成にクレジットを活用できる場合があります。
海外に生産拠点を持つ中堅企業にとって、進出先がJCMのパートナー国であれば、設備更新の際にJCMの活用を検討する価値があります。日本政府による補助金・技術支援と組み合わせられる場合もあり、脱炭素投資のコストを抑える手段になり得ます。
詳細説明
制度の仕組み
JCMプロジェクトは、日本企業などが途上国で脱炭素技術を導入し、その削減効果を両国政府が承認した方法論に基づいて算定・検証したうえで、クレジットとして発行される流れで進みます。発行されたクレジットは、日本と相手国の間であらかじめ定めた配分ルールに従って分配されます。
パリ協定6条との関係
JCMはパリ協定6条2項が定める「国家間で削減成果(ITMO)を移転する枠組み」の考え方を先取りする形で運用されてきました。パリ協定の詳細ルールが国際的に合意されたことで、JCMもこの枠組みと整合する形での運用が進められています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の海外拠点や取引先がJCMパートナー国に含まれるかを確認します。第二に、省エネ・再エネ設備の更新計画があれば、JCMプロジェクトとしての活用可能性を検討します。第三に、経済産業省・環境省が提供するJCM関連の補助金・支援制度の情報を収集します。
日本企業が途上国で脱炭素技術を導入 → 削減成果を両国で分配
出典:外務省・経済産業省・環境省
FAQ
Q1. JCMとは何ですか?
日本が途上国に脱炭素技術を提供し、その削減・吸収成果を両国の目標達成に活用できるようにする日本独自の二国間クレジット制度です。
Q2. どんな国と実施していますか?
2013年から構築が進み、現在約30の国・地域とパートナーシップを締結しています。
Q3. パリ協定6条との関係は?
パリ協定6条2項が定める国家間の削減成果移転の考え方を、JCMは先駆けて二国間で具体化してきた制度です。
Q4. 中堅企業はどう活用できますか?
海外拠点がJCMパートナー国にある場合、省エネ・再エネ設備の更新をJCMプロジェクトとして進め、補助金・支援制度を活用できる可能性があります。
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