GX用語解説:インテンシティ目標
インテンシティ目標とは
インテンシティ目標とは、温室効果ガス排出量そのものの絶対量ではなく、売上高・生産量・床面積などの経済活動量あたりの排出量(原単位)を基準とした削減目標です。「総量目標」が排出量の絶対値を減らすことを求めるのに対し、インテンシティ目標は事業が成長しても、生産効率や排出効率の改善によって目標を達成できる設計になっています。
結論から言えば、インテンシティ目標は「事業成長と脱炭素の両立」を測るための物差しです。事業拡大期にある企業にとっては、売上や生産量の増加とともに総排出量が増えてしまう場合でも、原単位ベースでは改善を示せる可能性があり、実務上受け入れやすい目標設定の一つとされています。
この記事の要点
実務での使われ方
成長段階にある企業や、M&Aによる事業拡大を計画する企業にとって、インテンシティ目標は総量目標よりも実務的に扱いやすい場合があります。事業規模の拡大に伴う排出量の増加を、生産効率や省エネの改善効果と切り分けて評価できるためです。
ただし、SBTのような国際的な目標認定制度では、地球全体の排出量削減という観点から総量目標が原則とされており、インテンシティ目標が認められるのは、急成長企業など一定の条件を満たす場合に限られます。目標設定の際は、この点を踏まえた検討が必要です。
詳細説明
総量目標との違い
総量目標は「排出量を〇%削減する」という絶対量ベースの目標で、事業規模が変化しても目標値自体は変わりません。インテンシティ目標は「売上高あたりの排出量を〇%削減する」といった相対的な目標で、事業が成長すれば総排出量が増えても目標を達成できる場合があります。両者は排出削減の「実質的な進捗」を測るうえで、異なる視点を提供します。
目標設定における位置づけ
投資家や国際的な目標認定制度は、地球全体の排出削減という観点から、総量目標をより重視する傾向があります。SBT認定でも、インテンシティ目標が認められるのは限定的な条件下に限られ、多くの企業は総量目標を基本としつつ、社内管理の補助指標としてインテンシティも活用するという使い分けをしています。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社が総量目標とインテンシティ目標のどちらを設定すべきか、事業の成長段階を踏まえて検討します。第二に、SBT認定を目指す場合、総量目標を基本とする方針を確認します。第三に、社内管理では両方の指標を併用し、進捗を多角的に把握します。
総量目標(排出量の絶対値) / インテンシティ目標(売上高等あたりの原単位)
出典:GHGプロトコル
FAQ
Q1. インテンシティ目標とは何ですか?
売上高・生産量等の経済活動量あたりの排出量(原単位)を基準とした削減目標です。事業が成長しても効率改善で達成できる設計です。
Q2. 総量目標との違いは?
総量目標は排出量の絶対値を減らす目標、インテンシティ目標は活動量あたりの原単位を減らす相対的な目標という違いがあります。
Q3. SBT認定では使えますか?
SBT認定では総量目標が原則で、インテンシティ目標が認められるのは急成長企業など一定の条件を満たす場合に限られます。
Q4. 中堅企業はどう使い分ければよいですか?
対外的な目標設定は総量目標を基本としつつ、社内管理の補助指標としてインテンシティ目標を併用するのが実務的です。
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