GX用語解説:Race to Resilience
Race to Resilienceとは
Race to Resilienceとは、国連が主導する、気候変動への気候レジリエンス(適応力・回復力)を世界的に強化するためのキャンペーンです。企業・都市・地域社会・投資家などが参加し、2030年までに40億人の気候脆弱な人々のレジリエンスを高めることを共通目標に掲げています。排出削減を目指す「Race to Zero」と対になる、国連の気候キャンペーンの一つです。
結論から言えば、Race to Resilienceは気候レジリエンスを「世界共通の目標」として位置づける国際的な旗印です。企業が個別に取り組む適応策を、国連主導の大きな枠組みに接続することで、気候変動対応における「緩和(削減)」偏重から「適応(レジリエンス)」への関心の広がりを象徴しています。
この記事の要点
- Race to Resilience=国連主導の気候レジリエンス強化キャンペーン。
- 排出削減を目指す「Race to Zero」と対になる位置づけ。
- 2030年までに40億人の気候脆弱な人々のレジリエンス強化を目標に掲げる。
- 企業・都市・地域社会・投資家など幅広い主体が参加する。
- 気候レジリエンスへの取組みを国際的な文脈に位置づける枠組み。
実務での使われ方
Race to Resilienceへの参加は、企業が自社の適応策やサプライチェーンのレジリエンス強化の取組みを、国際的な文脈で発信する手段になります。特に、サプライチェーンが気候脆弱な地域(自然災害の多い地域や、気候変動の影響を受けやすい農業地域など)に及ぶ企業にとって、こうした国際キャンペーンへの参加は、ステークホルダーへの説明材料になります。
実務上は、気候レジリエンスを高める具体的な取組み(拠点の防災対策、サプライヤーの分散、事業継続計画の強化等)を進めたうえで、その成果を国際的な枠組みに接続していくという順序で活用するのが現実的です。
詳細説明
Race to Zeroとの関係
国連は、企業や都市に排出削減を促す「Race to Zero」キャンペーンと、適応力強化を促す「Race to Resilience」キャンペーンを両輪として運営しています。前者がネットゼロという「緩和」の目標を、後者が気候変動の影響への「適応」を象徴しており、両者が揃って初めて気候変動対応の全体像がカバーされるという考え方に基づいています。
参加のプロセス
Race to Resilienceへの参加は、認定されたパートナー団体(イニシアチブ)を通じて行われる仕組みが一般的です。企業は自社の適応策の目標や進捗を、こうしたパートナー団体を介して国連の枠組みに報告・接続します。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の事業やサプライチェーンが気候変動の影響を受けやすい地域を含むかを確認します。第二に、拠点の防災対策やサプライヤー分散など、具体的な気候レジリエンス強化策を進めます。第三に、国際的な発信が必要な場合、Race to Resilienceのような枠組みへの接続を検討します。
Race to Zero(緩和・排出削減) / Race to Resilience(適応・レジリエンス強化)
出典:国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)
FAQ
Q1. Race to Resilienceとは何ですか?
国連が主導する、気候変動への適応力・回復力(気候レジリエンス)を世界的に強化するためのキャンペーンです。
Q2. Race to Zeroとの違いは?
Race to Zeroは排出削減(緩和)を目指すキャンペーン、Race to Resilienceは適応力強化を目指すキャンペーンで、両輪の関係にあります。
Q3. 誰が参加できますか?
企業・都市・地域社会・投資家など幅広い主体が、認定されたパートナー団体を通じて参加できます。
Q4. 中堅企業はどう関わればよいですか?
まず自社の気候レジリエンス強化策を具体的に進め、国際的な発信が必要な場合にこうした枠組みへの接続を検討します。
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