GX用語解説:マイクログリッド
マイクログリッドとは
マイクログリッドとは、太陽光発電や蓄電池などの分散電源を組み合わせ、特定の地域や施設内で電力を自立的に供給できる小規模な電力網です。通常時は系統(大手電力会社の送配電網)と接続して運用しますが、災害などで系統からの電力供給が途絶えた際には、系統から切り離して自立運転に切り替えられる点が最大の特徴です。
結論から言えば、マイクログリッドは気候レジリエンスを物理インフラの面から実現する仕組みです。台風・地震などによる大規模停電のリスクが高まるなか、病院・工場・地域コミュニティが自前の電力供給網を持つ意義が見直されています。
この記事の要点
- マイクログリッド=分散電源を組み合わせた自立運転可能な小規模電力網。
- 通常時は系統と接続、非常時は切り離して自立運転できる。
- 太陽光発電・蓄電池・自家発電設備などが構成要素になる。
- 災害時の電力確保という気候レジリエンスの観点で注目される。
- 工場団地や病院、地域コミュニティ単位での導入が進む。
実務での使われ方
製造業の工場団地や医療機関では、事業継続計画(BCP)の一環としてマイクログリッドの導入が検討されています。台風や地震で系統からの電力供給が止まっても、自家発電と蓄電池による自立運転で最低限の操業や医療活動を継続できる体制は、事業リスクの軽減に直結します。
地方自治体や地域エネルギー会社が主導し、地域単位でマイクログリッドを構築する事例も増えています。平常時は再生可能エネルギーの地産地消を進め、非常時は地域の防災拠点として機能するという、平常時と非常時の両面での価値が評価されています。
詳細説明
系統との関係
マイクログリッドは「系統から完全に独立した電力網」という意味ではなく、多くの場合、平常時は大手電力会社の系統と接続して電力をやり取りしつつ、非常時にのみ切り離して自立運転する設計です。この切り替えの技術(ゲートウェイ制御)が、マイクログリッドの安定運用の鍵を握ります。
構成要素と運用
マイクログリッドは、太陽光発電などの分散電源、蓄電池、自家発電設備、そしてこれらを統合制御するエネルギーマネジメントシステムで構成されます。VPPが「複数の需要家をまたいで分散電源を束ねる」仕組みであるのに対し、マイクログリッドは「特定エリア内で自立運転できる」点に重心があります。
中堅企業の最初の3歩
第一に、自社の主要拠点が停電した場合の事業影響を評価します。第二に、太陽光発電・蓄電池・自家発電設備の組み合わせでどの程度の自立運転が可能かを試算します。第三に、地域単位のマイクログリッド構想があれば、参加の可能性を検討します。
平常時=系統と接続 / 非常時=切り離して自立運転
出典:資源エネルギー庁
FAQ
Q1. マイクログリッドとは何ですか?
分散電源を組み合わせ、特定の地域や施設内で電力を自立的に供給できる小規模な電力網です。非常時は系統から切り離して自立運転できます。
Q2. 系統から完全に独立しているのですか?
いいえ、多くの場合は平常時に系統と接続して運用し、非常時にのみ切り離す設計です。この切り替え技術が安定運用の鍵になります。
Q3. VPPとの違いは?
VPPは複数の需要家をまたいで分散電源を束ねる仕組み、マイクログリッドは特定エリア内で自立運転できる点に重心がある仕組みです。
Q4. 中堅企業はどう検討すればよいですか?
停電時の事業影響を評価し、太陽光・蓄電池・自家発電の組み合わせでどの程度の自立運転が可能かを試算することが出発点です。
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