GX用語解説:OEM要求(脱炭素)
OEM要求(脱炭素)とは
OEM要求(脱炭素)とは、完成車メーカーや大手電機メーカーなどの完成品メーカー(OEM)が、自社のScope3排出量削減目標を達成するために、Tier 1サプライヤーをはじめとする取引先企業に対して、GHG排出量データの提供や削減目標の設定、再エネ電力への切り替えなどを求める一連の要請を指します。自動車業界を中心に、大手OEMが調達方針に脱炭素要件を組み込む動きが加速しています。
結論から言えば、OEM要求(脱炭素)は「大手メーカーが、取引を続けたければ脱炭素に取り組んでくださいと言い始めている」現実です。かつては品質・コスト・納期(QCD)が取引評価の中心でしたが、これにカーボン(CO2排出量)を加えた「QCDC」という評価軸を導入するOEMも現れており、サプライヤー選定における脱炭素対応の重要性が急速に高まっています。
この記事の要点
- OEM要求(脱炭素)=完成品メーカーが取引先にGHG排出量データ提供・削減目標設定等を求める要請。
- 自動車業界を中心に、品質・コスト・納期(QCD)に「カーボン」を加えた「QCDC」評価の動きが広がる。
- 要求内容は、排出量データの提供にとどまらず、削減目標の設定や再エネ電力比率の向上まで多岐にわたる。
- 要求に応えられない場合、新規受注機会の喪失や既存取引の見直しにつながるリスクがある。
- 逆に、早期に対応できた企業は、脱炭素対応力を新規取引獲得の差別化要因にできる可能性がある。
実務での使われ方
OEMからの脱炭素要求は、取引先アンケートを通じたGHG排出量データの提供依頼から始まり、次第に具体的な削減目標の設定、再エネ電力調達比率の向上、SBT認定の取得といった、より踏み込んだ要求へと発展する傾向があります。中堅・中小企業であるサプライヤーにとって、こうした要求への対応は、単なる追加業務ではなく、将来の取引継続・拡大に直結する経営課題になっています。
一部のOEMは、サプライヤーの脱炭素対応状況をスコア化し、調達比率や新規案件の割り当てに反映させる仕組みを導入し始めており、脱炭素対応の遅れが具体的な受注機会の損失につながるケースも出てきています。
詳細説明
QCDCという新しい評価軸
自動車業界の一部では、従来のQCD(品質・コスト・納期)評価に「カーボン(Carbon)」を加えた「QCDC」という考え方が広がりつつあります。これは、単に低価格・高品質・短納期であるだけでなく、その製品・部品の製造過程で排出されるCO2の少なさも、取引先選定の重要な評価基準になることを意味しています。
要求内容の段階的な深化
OEM要求の初期段階は、CDPサプライチェーンプログラム等を通じたアンケート回答やGHG排出量データの提供にとどまることが多いですが、対応が進むにつれて、具体的な削減目標の設定、進捗の定期報告、再エネ電力への切り替え計画の提示といった、より踏み込んだ内容へと段階的に発展していく傾向があります。
中堅企業の最初の3歩
第一に、主要な納入先OEMから排出量データ提供や脱炭素対応の要請がすでに来ていないか確認します。第二に、Scope1・2排出量の算定体制を整え、いつでもデータ提供できる状態にしておきます。第三に、再エネ電力調達やSBT認定取得など、より踏み込んだ対応の準備状況を計画的に進めます。
品質(Quality) / コスト(Cost) / 納期(Delivery) / カーボン(Carbon)
出典:自動車業界のサプライヤー評価動向
FAQ
Q1. OEM要求(脱炭素)とは何ですか?
完成品メーカーが取引先にGHG排出量データ提供や削減目標設定等を求める、一連の脱炭素対応要請です。
Q2. QCDCとは何ですか?
品質・コスト・納期(QCD)にカーボン(CO2排出量)を加えた、サプライヤー評価の新しい考え方です。
Q3. どんな要求内容がありますか?
排出量データの提供から始まり、削減目標の設定、再エネ電力比率の向上等、段階的に踏み込んだ内容へと発展する傾向があります。
Q4. 中堅企業は何を準備すればよいですか?
主要納入先からの要請有無を確認し、Scope1・2排出量の算定体制をいつでもデータ提供できる状態に整えることが重要です。
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